日本では、一日に約2000人もの人が死に、そして約2000人もの人が生まれている。
こうしているうちに、どこかで誰かが死に、誰かが生まれている。

そのほとんどの人に、出会うことがない。
それは、決して特別なことではないのだと思う。

わたしたちが生きているのはそんな世界だ。

今、わたしがこうしていることを、知っている人がほとんどいないように。





01.Ｓｔａｔｉｏｎ

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HeavenStation Japan 087

ここは、終わりの場所で、はじまりの場所。

ここに来る人はみんな、揃って不思議そうな顔をする。
どうしてこんなところに自分がいるのかよくわからない、そんな顔。
その感覚は決してまちがってはないのだけれど。

「今日は、どのくらい？」
わたしがコンピューターから顔を上げて聞くと、シュンくんは優しい表情で言った。
「7人かな」
「そっか」
「うん」
ここに来る人は、少なければ少ないほどいい。
キィとドアが開いて、いつものように不思議そうな顔をした人たちがこちらを見る。


ここは、天国の事務局。
簡単に説明するのなら、生まれ変わり事務局というところだろう。
死んだ人は、ここにやってくる。
そして、ここで生まれ変わるための手続きをするのだ。


「こんにちは」
ここに来る人たちを、笑顔で迎えるのがわたしの仕事である。

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