act.1
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「初恋」と呼べる恋があるのなら、
この恋を「終恋」と呼ぼう。
君の中で、僕は永遠に最後の人なのだから。
BBSの書き込みを見るのは、僕の寝る前の日課だった。
あふれる文字がたくさんの事をつたえてくれる。
「つながっている」
その感覚がキーを打つ指先からリアルに伝わってくる。
ざっと目を通しているうちに、気になる書き込みを見つけた。
「こんばんは。はじめまして。
私のお姉ちゃんは、覚えることができません。
だから、大好きなあなたの曲をいつ聴いてもはじめての曲に感じるのです。
はじめて聴くその曲を、毎回お姉ちゃんは「すごくすてきな曲ね」って言います。
すてきな曲をたくさん歌ってください。
クロック 」
どういう意味だろう?
疑問より好奇心が先回りする。
個人の間で関わりを持つこと。
僕らの世界では「特別扱い」と呼べるのかもしれない。
僕は、僕じゃなくなることで、その呪縛から逃れよう。
「はじめまして。
BBSの書き込みを見てメールをしました。
『覚えることができない』という言葉が気になってしまって。
どういうことですか?
いきなりこんなメールをしてすいません。
よかったら、お返事ください。 marble」
並べられたカード。
気まぐれにめくった一枚。
好奇心は時に残酷で、時に夢をみせる。
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